『毬栗』

僕はまるで毬栗のようで

晩秋の森の中 居場所を無くして地面を転がる
むなしいな いつになったら

まっさらな僕自身はこの大地に根を張ることが出来るのだろう


この言葉はまるでかまいたちだ
宙を往く度に世界を切り裂いていく

おかしいな 優しい言葉を選んだはずだのに
かなしいな いつも誰かを傷つけていく

どうしてだ いつもだれかが憎くて
くるしいな いつもだれかが嫌いなんだ


これから起こる未来を考えてみた
たのしいことも苦しいこともあるだろう

雨だれの道も台風みたいな日も
楽しいことを探して塗りつぶしてきた
広い世界の中 木漏れ日が確かに
僕を照らしてくれる瞬間が大好きだった


僕は毬栗 地面に落ちた

胸の中に閉じ込めた想いで
いつかの瞬間まで兵糧攻めです

友達も家族もいない僕らは所詮たったひとり
分からない誰かを嫌いながら
この渦巻いた想いだけで
たったひとり世界を生きて往くのです


これから起こる未来を考えてみよう

苦しいことと楽しいことを
風に揺れる天秤にかけてみた

どうしよう苦しいことが重すぎる


楽しいことを探してみよう
とても刺激的なたのしいこと

どうしよう身の回りから探すよりも
僕自身から探した方が楽そうだ

苦しいことはもうたくさんだ
いつかの一瞬はもうあの太陽の光じゃなくたっていい

いつかの一瞬を楽しみにしよう
いつかの一瞬を切に願おう



だれか僕を殺してくれ

だれか僕を


 


  誰しも、いい思いをしたい。
  叶わぬなら、どうしようか。