『 金糸雀 』
sub title: Summer sky, Autumn Moon.
青天の灼熱 あの非望
拙き己を 今も負いし姿
忘却の被い 重く哀しく世界を遮る
影陰き 渇望の淵に
流離いし心 地虫の如くか
虚しくも思うまま流れる
秋の月に指は届くか…
羽根も身も粉と化す
術を知らず力尽き
誰か 我をすくう術は
誰か
皓き光よ…
夕闇で見つめた
美しき汝を今も逐いし姿
忘却の被い 今や世界は…
秋深み 青天の道中
高く打つ想い 雀の歌
卑しくも汝の側にいたい
白の月はただ秋望の高みに…
翼は何よりも強く
墨き天に つよくはばたく
この想いは堅くこの胸に
白き月にいつか委ねる
光仰ぎ 遙かな天を目指す
明かし恒星となれ
羽根も心も生まれかわる
願う能力を覚いだす
陰にひとり 青天を仰ぎて
陰にひとり
拙き己 と 現の己
そして白き月よ汝の歌を
くすんだ金色の糸で歌う
sub title: Winter sky, Spring Sun.
青天に掲げた あの希望
幼き己を未だ負いし姿
自責の念 絶えず我が身を打つ
闇深き 絶望の嵐に
堰き止めた想い 蜉蝣の息か
愚かしくものたうち回る
春の陽に手を伸ばすも…
羽根も身も粉と化す
昇る己と沈む己
誰か 我をすくう術は
誰か
皓き光よ…
朝焼けに照らされた
眩しき汝を未だ逐いし姿
自責の念 既に痛みは…
冬枯れ 蒼天の風に
流れ吹く想い 雀の涙
情けなくちから尽きたが
紅の陽はただ羨望の果てに…
翼は弱々しくとも
皓き天を ただただ見つめる
この想いは今届かずとも
紅き陽にいつか流れつく
影に隠れ 遠く離れて見守る
幽き恒星となれ
羽根も心も薄汚れ
昇る能力を忘れた
闇にひとり 青天を仰ぎて
闇にひとり
幼き己 と 現の己
そして紅き陽よ汝の歌を
くすんだ金色の糸で歌う
暗喩とか対句とか好きなの、俺。
己(うぬ)=我=自分、汝(うぬ)=君 皓(しろ)き=白い、墨(くろ)き=黒い 明かし=明るい、 幽(くら)き=暗い 恒星→「ほし」と読んでください。
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