colore×colore×coloreSeries

あいいろ
きんいろ
あおいろ
そらいろ
ほむらいろ ―――12.3.3.Sat. up*******

色をタイトルに。
テーマはばらばらです。形式が多少似てます。

闇色のぼくたちは は別格です。



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『 あいいろ 』


感情というのはとても単純で
理性というのはやっかいにも複雑だ

何かを想う心が満たされないとき
溢れるかなしみはとても、

何かを願う欲が満たされないとき
こみ上げるかなしさはまるで、

傍にいたいと想うのに
君はなかなか叶えてくれない
駆けていって抱きしめたら
きみはとても不思議な顔をする
愛してほしいと強請るように
指先で君を捜してる
触れたらそのまま
君を壊してしまいそう

何かを想う心が募るほど
満たされたときのかなしみは強くなる

このまんま離れないでいて
かなしみが埋まることはないけれど

何かを願うことが多いほど
もうどうしていいか解らなくなることが多くなる

ただこのまんま一緒にいられたらいい

このかなしみはとても単純で
愛しさなんていう感情と憎しみなんてものが行き来する
君をどう思えばいいか考える課程だけがただただ複雑で
入り交じる哀色に揺られている


埋もれてしまいたいと

ほつりと零れた言葉が胸に刺さる
かなしみで彩られた愛が
堪らず君を抱きしめる

哀色の涙が
堪えきれずに音を立てた


ただこのまんま一緒にいられたら
強請るようにくちづける

  哀しと、悲しと、愛し、哀しみは愛憎の間でうろうろします。

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『 きんいろ 』


きらきらとしたものは いつも高いところにあって
よどんだ血餅の隙間から
そのいろを あふれるように 漏らしている

きらきらとしたものを いつも羨ましく見ていた
黒ずんだ汚れたものは 上のほうにとどまって
そのいろを 後光のごとく 背負っている

目標がないと生きていけない

誰かからもらった言葉は たしかに確かなのに


きらきらとしたものは はじめはきらきらしていなかった
幼いころは よどんだものなんて見えていなくて
まるで目の前にあるもののようにしか見えていなくて
それなのにそのすがたさえも見えていなくて
喩える言葉を知らなかった 目標という言葉を知りはじめていたころ

社会は人をおとなにする

真実も現実も嘘も欺瞞も たしかにひとをおとなにするけど


きらきらとしたものは いくつもの光を放はじめる
そしてこころを揺るがしていく
熱いこころを時に冷ましていくように
ちらばる目標はそのひとつでさえ自分だけのものじゃない
天使のはしごを昇って 掴むことが 生きること

きんいろの光を追い求めて手に入れて また求めることが
生きること


きらきらとした光を
ひとつに絞って目指していた はずだった

それなのに届かなかった

きんいろの光はまだこのこころに差し込んではいるけれど
また昇りはじめることはできるんだろうけど

余所見をしたから 不可なかったの
このこころは隣のはしごを眺めていた
乗り換えるつもりもなかったくせに
それが不可なかったの


どうしても
これだけは手放せなかった

このはしごを昇りきれなかったことはとても悔しくて悲しいけど
熱いこころが地平線にもたれかかるときにいつでも
沈むにしろ昇るにしろひときわ輝くようなきんいろを
どんなにさむくて苦しくても
このこころは目標にはならないこれだけを
忘れることはできなかった

  ひらがなが多すぎてあははは
  
  「不可ない」と書いて「いけない」と読めると普通に信じてたのに、無理なんだね

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『 あおいろ 』

見つめたら吸い込まれる
会えなければ会いたくなる
見つけたら欲しくなる
とらわれているんだ
だから背伸びして手を伸ばすんだ

一番近くに感じたい
見えているのに届かないから
触れられないその一つ一つを確かめるように
感情が体から溢れ出す

泣きそうなくらいの愛を注いで
溺れてしまえばいいんじゃないか
その色の奥のおくまで
入り込んで混ざり合って解け合って
一つになってしまえばいいんじゃないか

甘い夢を見ているんだよ
世界でたった二つの魂が
青色の底のそこで
融け合う夢で涙を流す


見つめたときからとらわれてるんだ
もうとっくに溺れてしまっているから
夕闇に鮮やかに輝く
息もできない
だから欲しくなる

泣きそうなくらい愛してくれないか
泣きそうなくらい愛しているから
その手のひらで包むように
この魂を沈めて

見えているのに届かなくて
触れているのに足りなくて
傍にいるのにこんなにも哀しいから
ここにいるのに


だから背伸びしてつま先を立てて

手を伸ばすんだ

  青色の人の話。
  ひとではないかもしれない。青色に対する話。

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『 そらいろ 』

青い空は見えますか

例えば
長い道のりを歩いた脇で
ふと見上げた小さな空のような


白い雲筋は見えていますか

綿飴のような雲でも まっすぐな飛行機雲でも
画用紙に散らした白い絵の具のようでも
あなたの瞳にその青は見えていますか



紅い空は見えますか

僕はとても寂しくなります

だけど身を燃やすような橙の色は
僕の心を温めてくれます

その日が終わる 哀しさも悔しさも
その熱で全部燃やされてしまうのです

明日もがんばりましょう

だから今日はお休み

眠たげな幼子が瞼をゆっくりと閉じるように
夕焼けは闇の中へと消えていく



藍色の空

煌と光る月と星が
僕の心を躍らせるのです

夢の中へ夢の中へ

明日はきっとうまくいくよ


例えば泣き腫らした夜明け
白んだ朝焼けの色は
僕の心をあやしてくれます

煌とかがやく朝日の色は
僕の心を温めてくれるのです

青い空は見えますか

その日が始まる
うれしさ 期待 気怠さ 哀しさも
その色が全部受け止めてくれるのです

例えば険しい試練を超えたとき
思い出したように見上げた大きな空のような

例えばたった独り佇んだまちで
彷徨わせた視線を上げた
大きな空のような

青い空は見えていますか

 ひさしぶりに書いたら支離滅裂になって焦った
 どんなそらの色が好きですか。

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『 ほむらいろ 』

                               subtitle:  forget, forget, plz forget,

振り返った足下に見えるもの
忘れてしまいたい

けれどいつかいつでもどんなときでも
この胸の内にあるものだから

忘れられず思い出してしまう

ゆらめくろうそくの灯のように
鮮明な景色が脳裏を過ぎる

そんなふうにこの胸を苦しませるから


いつかきっと消えてしまうもの
忘れたくないと願うのに
どうしても色褪せてゆくんだね

振り返りたくない過去を消し去って
忘れてしまいたくないもので塗りつぶせてしまえたら

またたく電灯の明かりのように
ふと光って消える

そんなふうに苦しませないで

そんなふうに消えていかないで


                               subtitle:  Lovers

好きなものは好きっ!って
そんなこと言ったって認められないの

だからってあなたは
わたしの愛を蔑ろになんてできないの

仕方なくなんてないのよ
Give and Take
ガラスの靴が欲しいの
わたしのサイズにぴったりあわせてよ

わからないでしょう
わたしの心の色
知らないでしょう
わたしの愛の色


邪魔なの
あなたが見てるそこの娘
誰かに盗られるくらいなら
誰よりもはやくあなたを染めてしまいたい

わからないの
あなたの温度も
知っていたいの
あなたの色も


好きなものは好きなんて
浮気性ね そんなの許せないの
他の誰かに渡すくらいなら
誰よりもはやくわたしの色に
染めて染めてわたしの色で燃えて燃やしてしまいたい

仕方ないでしょう
知らないでしょう
わたしの愛の色


                               subtitle:  よだか

君の歌は空を駆けて
君の心へと帰るたびに光を揺らめかせて燃えてゆく

夜空に光る君の炎が瞬いて
僕はまた祈るように願うんだよ


どうか どうか

君は歌い続けるのだろう
見失ってしまった炎の色を探して

確証すら無いのに信じ続けているんだろう
空の色をその瞳に映して
空の色にその羽を融かして


君が掌をかざした
見えないものを探すように

満天の星空を見上げた
空の色をその瞳に映して

君が流した光の破片
僕が燃やした願いの炎


どうか 君の歌が

いつか君自身を見つけて
星空に君の炎を揺らめかせて

願うから


どうか 僕の歌が

月の光に隠れて消えてしまわないように
君の破片を追いかけて
夜の闇に吸い込まれてしまわないように

願っていてくれないか

 おねがい、忘れさせて。 おねがい、消えないで。

 (forget)は 陽炎 と若干リンク


 (よだか)はタイトルを言ってしまうととてもわかりやすい…

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